「世界一臭い缶詰」と聞いて、あなたはどんな匂いを想像しますか?SNSやYouTubeで話題の“シュールストレミング”は、その強烈な臭いで「世界一臭い食品」とも称され、多くの人が興味を持つ一方で、「本当に危険なの?」「日本で買えるの?」「開けたらどうなるの?」といった疑問も多く見られます。
本記事では、世界一臭い缶詰といわれるシュールストレミングの正体や、匂いの原因、くさやや納豆などとの比較、安全性や殺菌処理の有無までを詳しく解説。また、実際に購入できる場所や価格、そして開封時に注意すべきポイントも丁寧にご紹介します。
この記事を読むことで、話題の臭い缶詰についての知識が深まり、安心してチャレンジするための準備が整います。匂いのインパクトに負けないためにも、まずはしっかりと情報を押さえておきましょう。
世界一臭い缶詰とは?匂いの正体と危険性を徹底解説

SNSや動画で「世界一臭い缶詰」として注目されているのが、スウェーデン発祥の発酵食品・シュールストレミングです。中身はニシンの塩漬けを缶の中でさらに発酵させたもの。その独特すぎる匂いは、開封した瞬間に屋外でも耐えられないほどで、においセンサーの実験では、くさやの約4倍以上の数値を記録したとされています(参考:BBC Science Focus Magazine)。
このセクションでは、シュールストレミングのにおいの正体と成分、そして食品としての安全性や注意点について、できる限りわかりやすく解説していきます。
なぜ世界一臭い?缶詰の匂いの原因と成分
「なぜここまで臭いのか?」という疑問を持つ方は多いと思います。結論から言うと、シュールストレミングの匂いの正体は、発酵の過程で生じるガスとたんぱく質の分解物です。
シュールストレミングは、北欧スウェーデンで古くから保存食として親しまれており、ニシンを軽く塩漬けし、缶詰内でさらに発酵させるという製法が使われています。缶の中では、乳酸菌やその他の微生物が働き、ニシンのたんぱく質を分解。すると、硫化水素、酪酸、アンモニア、プロピオン酸などの強烈な臭い物質が発生します。
特に硫化水素は、腐った卵のようなにおいの原因であり、鼻にツンとくる刺激臭を生み出します。さらに酪酸は、足の裏のような臭気を加え、これらが混ざり合うことで、まさに「世界一臭い」と言われる独特のにおいが完成します。
また、密封された缶の中でガスが充満し、缶がパンパンに膨れることも珍しくありません。この膨張によって、開封時に中身が勢いよく噴き出すリスクもあるため、開ける際は屋外で、水中での開封が推奨されています。
シュールストレミングは危険?殺菌や衛生面は大丈夫?
「そんなに臭いなら、食べても大丈夫なの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、シュールストレミングは加熱殺菌されていないため、日本の食品衛生法では「加熱処理が不十分な缶詰」に分類されます。しかし、製造段階で厳格な温度・塩分管理と衛生基準を守っており、発酵による酸性環境が有害菌の繁殖を抑えるため、基本的には安全とされています(参考:Swedish Food Agency)。
ただし、日本では通関時に検疫で止められることもあり、一部ショップでは“雑貨扱い”で販売しているケースもあります。購入する際は、「食品」として正式に輸入されたものを選ぶことが大切です。
また、発酵が進むにつれて缶の内部圧力が高まるため、輸送中に破裂する事故も過去には報告されています。こうした理由から、一部の航空会社では機内持ち込みや預け荷物への搭載が禁止されているほどです。
加えて、開封時に服や髪ににおいが付着しやすく、長時間取れないため、衣類の準備や着替えも検討した方が良いでしょう。開封の際は風通しのよい屋外、できればビニールシートやバケツを用意したうえで、慎重に行うのがおすすめです。
世界一臭い缶詰の買い方と開封前の注意点

「やってみたい!」「動画にしたい!」と思っても、世界一臭い缶詰はクセ者。どこで買えるのか?価格帯は?そして開封時にどんな準備が必要か?実際に入手する前に、確実にチェックしておきたい情報をまとめました。想像以上のニオイに備えるためにも、事前対策が肝心です。
どこで買える?世界一臭い缶詰の入手方法と価格
まず、「世界一臭い缶詰」と呼ばれるシュールストレミングは、日本国内でもネット通販を中心に購入可能です。楽天市場やAmazonなどの大手ショッピングサイトには複数の取り扱い店舗があり、価格は1缶あたり4,000円〜6,000円前後が相場となっています(※2025年3月時点)。ショップによっては送料無料や最短1日以内発送に対応しているところもあるので、レビュー評価や配送対応を確認すると安心です。
特に人気のある販売元としては、北欧食品を専門に扱う「AQUAVIT JAPAN」や「三幸貿易」が挙げられます。これらは正規輸入代理店であり、保存状態や賞味期限管理もしっかりされているため信頼性が高いです。また、楽天市場では「缶詰」「スウェーデン」「臭い 食品」などの共起語で検索することで在庫のあるストアがすぐ見つかります。
一方で、一部の店舗では食品ではなく“雑貨扱い”として販売しているケースもあるため注意が必要です。これは、発酵中に缶が膨張してガスが発生するという特性があり、食品衛生法の規定により正式な「食品」ではなく、「標本」や「展示物」として扱われることがあるからです。
なお、価格が極端に安い商品(2,000円以下など)は、缶の膨張や漏れ、保管不良のリスクもあるため避けるのが無難でしょう。実際、スウェーデン国内では「製造から最低6ヶ月熟成させた後に出荷する」という品質管理が義務付けられており、それを満たさない製品はにおいだけでなく風味や安全性にも問題が生じる可能性があります。
開封時の注意点とおすすめの開け方
購入後、いざ開封となると“ただ缶を開ける”以上の準備と注意が必要です。シュールストレミングの缶は、輸送中も発酵が進むため、開封時には勢いよく中身とガスが噴き出す可能性があります。そのため、開ける場所と方法をあらかじめ計画しておくことが大切です。
まず絶対に守るべきなのは、屋内では絶対に開けないこと。缶を開けた瞬間に放出されるにおいは、通常の換気扇や消臭剤では太刀打ちできず、部屋ににおいが数日残ることもあります。開封は屋外、できれば風通しのよい場所で行いましょう。においの強さは「硫化水素」「酪酸」「アンモニア」などの成分によるもので、人によっては吐き気を催すレベルです。
また、開封時は衣類や髪ににおいが付着しやすいため、捨ててもよい服やエプロン、帽子などの用意もおすすめです。手袋を使えば、手についたにおいを後で落とす苦労も減らせます。
このように、シュールストレミングは想像以上に手間がかかる食品ではありますが、同時に「世界一臭い缶詰」という肩書きにふさわしいインパクトを提供してくれる存在です。においの衝撃に驚かされる一方で、それを上手に演出することで、SNSやYouTubeでの話題作りにも大きな効果を発揮するでしょう。
実は食べられる?美味しい食べ方とアレンジレシピ

強烈なにおいのインパクトが先行するシュールストレミングですが、実はスウェーデンでは普通に食卓にのぼる発酵食品。特に北部地方では、家庭で手作りする文化も残っています。つまり、ただのネタ缶詰ではなく、「きちんと調理すれば食べられる食品」なのです。
本場の食べ方として知られているのが、“シュールストレミング・サンドウィッチ”。これは、「薄焼きのパン(トゥンブロード)」に、ゆでたジャガイモ・赤玉ねぎ・サワークリーム・バターなどをのせ、最後に薄く切ったシュールストレミングを重ねて巻いて食べるというもの。
この食べ方のポイントは、においを和らげる食材を同時に使うこと。とくに赤玉ねぎやクリーム系の食材が、においの刺激を中和してくれます。これにより、口の中で発酵臭がまろやかに変化し、「案外クセになる」という感想を持つ人もいます。
また、アレンジレシピとしては、ピクルスと合わせた冷製パスタや、炒めてガーリック風味をつけたフィッシュサラダなど、意外と応用が利くのも特長です。ただし、加熱しすぎるとにおいが部屋中に広がるため、調理は屋外もしくは強力な換気設備のある場所で行うのがベストです。
なお、シュールストレミングは一部地域では航空輸送が制限対象となる食品でもあります。購入やイベントでの持ち運びの際には、保存条件(冷暗所)や賞味期限の確認、未開封でも破裂する可能性があることを事前に把握しておきましょう。
まとめ
「世界一臭い缶詰」として世界的に有名なシュールストレミングは、スウェーデン発祥の発酵ニシン缶で、においの原因は発酵によって生じる硫化水素や酪酸などの強烈な臭気成分です。その異臭は、くさやの約4倍ともいわれ、開封時には屋外での対策が必須となるほどのインパクトがあります。
記事では、シュールストレミングの匂いの成分や発酵のメカニズム、安全性、殺菌処理の有無などを詳しく解説。また、楽天やAmazonでの購入方法や価格相場(約4,000円〜6,000円)、信頼できるショップの選び方、開封時に必要な服装や道具、トラブルを避けるための事前準備についても紹介しました。
さらに、「ただのネタ食品」としてだけでなく、スウェーデンでは一般的に食べられている事実や、においを和らげるアレンジレシピ(パンやサワークリームとの組み合わせなど)にも触れています。
SNSや動画での話題性はもちろん、発酵食品としての奥深さも持ち合わせるこの缶詰は、正しい知識と準備があれば、安全に楽しむことができます。購入・体験を検討する際には、ぜひ本記事の内容を参考にして、後悔のない「開封体験」をしてみてください。